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特急形電車

新宿と日比谷から白河・会津若松方面と奥武日光方面を結ぶ奥武特急の専用車両. ただし朝夕のライナー運用や例外的に普通列車に使用される運用もあります. 

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20000系 運行開始:2017年 車両数:36両
2017年10月ダイヤ改定でデビューした交直両用特急形車両です. 建築限界の狭い都営三田線に直通するため最大幅2800mmとやや細身のボディが特徴. そのため一部車両を1-2列の特別車として居住性を確保しています. 地下鉄を走行する車両として初めて正面非常扉を観音開き式の外殻と跳ね上げ式の眺望ガラス窓で覆う構造を採っています. 最高速度140km/hは10000系と同じで6両編成を組んで日比谷~奥武日光間の特急メトロコア日光や日比谷~会津若松間の特急メトロコア会津、メトロコア会津白虎で活躍、また臨時あかべこでも使用されています. 列車番号の末尾はXで表示されます. 

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10000系 運行開始:2007年 車両数:133両
鮮烈なあかね色と華やかなシャンパンゴールドを身にまとってデビューした地上線専用の、当社の主力交直両用特急形車両です. 最高時速140km/hと国内在来線有数のスピードランナーとしても知られ、10000系のデビューと同時に新宿~会津若松間に速達型特急白虎が走り始めました. 個室車1両を含む7両編成を組んで新宿~奥武日光間の特急なんたい、にょほうや新宿~会津若松間の特急あかべこ、白虎、新宿~白河間の特急しらかわで活躍するほか、中距離ライナー運用であるとちぎエクスプレスや中山道エクスプレスにも使用されます. 変則運用としては早朝磐岩線三代~会津若松間の普通列車としての運用があります. 列車番号の末尾はE

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10000系 OBU RAILWAY AIZU NIKKO EXPLORER 運行開始:2016年 車両数:7両(上133両に含む)

10000系第一編成は2016年より車内のリニューアルとラッピングを受け、会津、日光の文物を車内にふんだんに配置し旅の興奮を演出する車両とした"OBU RAILWAY AIZU NIKKO EXPLORER"として生まれ変わりました. ライナー運用には入らず、特急列車運用に限定して入ります. 

快速形電車

特別料金を頂かない最優等列車である奥武線の快速. 奥武本線から各非電化線区に入る系統の快速にはキハ4000系が用いられますが、秩父鉄道直通快速に用いられるのがこちら快速形電車. 中山道ライナーの運用もこなします.  

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450系[2代目] 運行開始:2023年予定 車両数:8両
快速形気動車キハ4000系の置き換えに際し、8000系電車に代わって新型快速形気動車と併結して運用されるために開発された新型直流快速形電車です. 中山道線、秩父鉄道線系統を走る車両と奥武本線、会津方面を走る車両と共通規格として設計、後述するように窓を開けることを前提としたため20m級2900mm幅の車体となり、キハ400系と並んで当社では初めてのステンレス車両(前頭部は鋼製)となりました. 窓を開けての乗車を楽しめるよう、また防犯上の観点から完全に開放可能な1段上昇式の窓を採用しております. 正面意匠は昭和期以来の奥武線車両のイメージを引き継ぐ斜めステンレス帯や正中上部前灯を採用するとともに、より精悍なイメージとすべく貫通扉下部をステンレス無地としております. 側面を含むカラーリングは8000系のイメージを引き継ぎつつも黄緑色は若干彩度を抑え明るめの色に変更し、塗分けはよりスピード感のあるものとしました. 特急形に準ずるシートピッチを誇っていた8000系に比べて居住空間が狭くなるのを補うため、シート布とクッションを一体化した薄型素材を使用し、特別料金なしで乗れる車両としては異例となるフリーストップ式リクライニングシートを導入しております. また夕方のライナー運用時に電球色での車内照明を使用することを念頭に、車内灯は昼光色と電球色の2種類を切り替えられるようになりました. 8000系同様の4両ユニットで最高速度は140km/h、デッキありの片開き2扉. 2023年内の運行開始に向けて試運転を行っております. 

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8000系 運行開始:1997年 車両数:44両
当社で初めての気動車と併結運転可能な電車として登場した異端車で、それまで秩父鉄道直通快速で使用されていたキハ2000系を置き換えました. キハ4000系と重量を合わせるため関東の鉄道事業者では最後となる新製鋼製車として製造されました. 20m級の直流専用で、連結される気動車のエンジンを制御するための回路を装備しているのが特徴です. 正面は急行形の7000系にも似ていますが、鮮やかな黄緑色と紅色の帯が緑豊かな秩父への直通列車であることをアピールしています. 4両編成でキハ4000系6両とタッグを組んで新宿~三峰口間の快速に使用されたり(新宿~浦和間でキハ4000系と併結)、4両または4両を2本繋げた8両編成で中山道ライナーに使用されたりします. 2020年6月改定では朝の上り中山道ライナーとその間合い運用の区間急行として、デビュー以来初めてとなる4両を3本繋げての12両運用が始まりました. 最高速度は140km/h. 片開き2扉デッキあり転換式クロスシート. 時刻表では列車番号末尾Nで表示されます. 

急行形電車

奥武線近距離区間のダイヤの骨格を成す急行・区間急行で用いられる急行形電車. 地上線専用で新宿~熊谷・宇都宮間(回送で北宇都宮まで)で運用されます. 

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2000系 運行開始:2010年(初期車)2022年(後期車) 車両数:220両(初期車212両​ 後期車8両)
新時代を担う地上線用の直流急行形電車として2010年に登場した20m級アルミ車です. 加速度や最高速度は7000系と変わりませんが、特急形10000系で採用された車体断面を継承した車両幅(2930mm)の最適化による軽量化やHIDランプの多用、空調モニタリングシステムの導入など新機軸が多く盛り込まれています. 将来の地方線区転用時に二扉化改造しやすいよう中間部ドア付近がモジュール化されています. 中山道線の基本8連に加えて2014年からは宇都宮日光線にも6連が投入されており、2017年には中山道線の付属4連も落成しました. 現在も増備が続いており2022年には大型行先表示を導入し前面意匠をマイナーチェンジした後期車の4連が2編成登場しました. 両開き3扉ロングシート. 時刻表では列車番号末尾Mで表示されます. 

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7000系 運行開始:1992年 車両数:260
これまでの奥武鉄道の車両イメージを大きく塗り替える姿で登場し話題となった20m級地上線用直流急行形電車です. この時代としても珍しい鋼製車ですが当社では初めてのVVVFインバータ制御(当社で唯一のGTOサイリスタ採用車)となったほか、当社の車両としては初めて製造時からワンハンドルマスコンを搭載、特別料金なしで乗れる車両としては初めての130km/h運転を開始したことや客窓を開閉不可能にした上で2980mmという幅広のスタイルで登場したことも話題となりました. この車両の登場と同時に宇都宮日光線の下総境~北宇都宮間が直流電化され宇都宮日光線での急行運転が始まりました. 正面デザインはブラックフェイスが印象的ですが、貫通幌枠と一体化したライトケースや正面下部の斜めのラインなど随所に旧来の車両の意匠を引き継いでいます. 8連、6連、4連の各編成があり、両開き3扉ロングシートで中山道線や宇都宮日光線の急行、区間急行、通勤区間急行のほか、特に宇都宮日光線では朝夕の中距離普通列車にも使用されます. なお4連の編成は製造当初より将来の交直流電車化改造を想定して死重を積み台枠を強化されています. 時刻表で列車番号末尾Mで表示されます. 

通勤形電車

奥武線近距離区間(新宿~鴻巣/関宿)の各駅停車、準急、直達準急で用いられる地上線専用車両と区間急行を含めた地下鉄直通運用で用いられる車両とがあり加速度などに差異があります. 

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1070系 運行開始:2021年(初期車)2022年(後期車) 車両数:96両(初期車64両​ 後期車32両)
都営三田線の8連化に伴い、当初当社では1050系2連の追加増備により1000系と混結で8連化する構想を持っておりましたが、東京都交通局をはじめ直通予定の各社局と協議の上、直通用編成を8連固定編成とすべく、5代目都営三田線直通車両である1070系をデビューさせました. 1000系の足回りに1050系同様の新造車体を載せ、中間車2両は足回りを含めた新造車両となっています. 1050系同様河本謙三インダストリアルデザインの手になる車体は1050系よりも前面を温かみのある配色としました. 両開き4扉ロングシート. 時刻表では車番号末尾Tで表示されます. ​2022年に登場した32両は側面行先表示器を大型のものに一新して登場しました. 

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9030系 運行開始:2021年 車両数:72
都営三田線の8連化に伴い、地下鉄直通用の1000系は足回りを再利用して1070系に改造されましたが、そこで取り外された車体をリニューアルしてロケットカー仕様の駆動系と1050系同様の新造台車と合わせ、新たに地上線専用車両として6連で誕生したのが9030系です. 9030系の登場によって6000系の一部が置き換えられました. 車体内外装の意匠は河本謙三インダストリアルデザインの手になり、9000系のカラーリングを基本とし前面は昭和期の奥武線車両のイメージへの回帰を図りながらも、側面には奥武線沿線の街並みを思わせるシルエットに散歩道を舞う木の葉をイメージした模様を配し、全体に可愛らしさと楽しさに溢れたデザインを目指しました. 両開き4扉ロングシート. 時刻表では車番号末尾Cで表示されます. 

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9030系 中山道電軌復刻色 運行開始:2022年 車両数:6両(上記72両に含む)
2022年3月に落成した9030系の第4編成は中山道電気軌道開業130周年を記念して中山道電軌のカラーである真鍮色と茶色のツートンで登場しました. 側面にはウィンドウシル・ヘッダーや車体下部のリベットも再現され、正面種別表示はサボに変更、このサボを終端駅で運転室から差し替えるために正面非常用扉の窓は開閉式に改められました. 正面運転台周りは運転台窓のみが上方に傾斜して窪んでいたモハ150形の非対称なイメージを踏襲すべく窓周りに黒塗りをしています. 側面には奥武鉄道昭和期の社章を再現しました. 

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1050系 運行開始:2019年(初期車)2022年(後期車) 車両数:32両(初期車16両 後期車16両)
2019年秋にデビューした4代目都営三田線直通車両です. 直流専用のアルミ車で、奥武線の魅力を発信する新たなスタンダード車両となるべく河本謙三インダストリアルデザイン事務所によってデザインされました. アルミ車体に金属光沢を放つエメラルドグリーンの塗装、アクセント色は「URAWA BLUE」と「MINUMA NAVYBLUE」と名付けられ、水辺から飛翔する鳥と埼玉、奥武線沿線の街を表しています. 前面には通勤形としては6000系以来となる斜めステンレス補強帯を配し、鼻筋の通った彫りの深い顔立ちとなりました. 起動加速度は3.5km/h/sと都営線や東急線の車両と同等、都営線に直通するための機器を備えています. 両開き4扉ロングシート. 時刻表では列車番号末尾Tで表示されます. 2022年には2編成が増備されましたが、こちらは大型の側面行先表示器が特徴となっています. 

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9000系 運行開始:2000年 車両数:132両
2000年にデビューした地上線用の直流通勤形アルミ車でファンからは「ミレニアムロケット」の名で呼ばれます. 急行形の7000系、快速形の8000系についで曲面を取り入れたブラックフェイスをまとって登場しましたが、車体幅は従来車と同じ2800mmに抑え、併結運転を前提としないため正面非常扉を助手席側にオフセットして運転席スペースを確保しました. 3000系や6000系で課題であった超高加減速度での発車、停車による乗り心地の悪さを改善するため、特殊な制御装置が搭載されています. 両開き4扉ロングシート. 時刻表では列車番号末尾Cで表示されます. 

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6000系 運行開始:1982年 車両数:84
昭和の終わりに登場した地上線用の界磁チョッパ制御の直流通勤形車両で「ニューロケット」の愛称を持ちます. 3000系に続く超高加減速度の通勤型車両で中山道線に残っていた昇圧前からの旧型通勤車を置き換え、初めて各駅停車のみならず準急系統にも新系列車が入るようになりました. 最高速度は120km/hで設計最高起動加速度は7.5km/h/s. 3000系に続きおびただしい数の手すりとつり革が設けられています. 両開き4扉ロングシート. 時刻表では列車番号末尾Cで表示されます. 正面デザインは5000系での反省を生かし斜めの飾り帯をやや低めに配置し、ブラックフェイスを効果的に見せるために運転室窓をHゴム押さえから金属押さえに変更しています. 2012年より行先方向幕のLED化やVVVF化などの更新工事が進められています. 最大150両の規模を誇りましたが、9030系の導入で廃車が始まりました. 

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3000系 運行開始:1965年 車両数:18両
奥武鉄道の1500V昇圧と同時に登場し一時代を築いたエポックメイキングな通勤形車両で当社では最初で最後の交直両用形通勤形電車となりました. 「ロケットカー」の愛称を持っています. 3000系デビューの翌年には直流専用の3050系が識別のために側面にも白帯を巻いた姿で登場しますが、こちらは先に引退しています. 国鉄が「通勤五方面作戦」の名で首都圏の複々線化を推し進めるのに対し当時当社では各駅停車列車の加減速度を飛躍的に上げることで優等列車の所要時間短縮を図ろうとしました. 最高起動加速度7.5m/h/sはさすがに類を見ないもので、発車、停車の際のあまりの乗り心地の悪さが話題となり、車内には転倒防止のためにおびただしい数の手すりやつり革が設けられ、後に特徴的なヘッドライトケースの形状や色合いから「ザク電」とも呼ばれました. 7000系の急行が登場した後主戦場であった宇都宮日光線から撤退しましたが現在でも3編成が残り笠間発着の準急/直達準急などで活躍中です(抑速ブレーキ非搭載のため笠間以北の奥武本線には入線しません). 両開き4扉ロングシート. 列車番号末尾はCですが電源方式の違いから他の通勤形電車とは運用を区別されています. また都営三田線には直通対応しておりません. 

一般形電車

主に奥武本線と磐岩線白河口、宇都宮日光線の中距離電化区間(関宿~白河~岩代長沼、野田市~奥武日光)の普通列車で用いられる地上線専用車両で交直流双方に対応し耐寒、耐雪設備や抑速ブレーキを備えた2扉車です. 

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800系 運行開始:2018年 車両数:72
老朽化が目立ってきた700系初期車の置き換えを目的に、7000系電車の4連を改造して造られた20m級交直流両用車です. 中山道線新宿~浦和間に対応する車内信号を撤去し最高速度は130km/hから110km/hに引き下げられましたが、両開き片側2扉に改造された車内には転換クロスシートが並び、抑速ブレーキを搭載して奥武本線関宿~白河間や宇都宮日光線などローカル線区での長距離利用に対応しております. 外観は700系やキハ4000系と同様ながらより現代的なテイストの草色とペールアイボリーのツートンに改められ、奥武鉄道の新形式としては6000系以来となる前面の斜めステンレス補強帯を装着しています. 2018年4月以降浦和・野田市~白河・奥武日光間の普通列車に投入されています(浦和~関宿間への乗り入れは早朝深夜のみ). 2021年3月からは磐岩線白河~岩代長沼間でも運行を開始しました. 列車番号末尾はLで700系と運用を区別せずに使用されます. 

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700系 運行開始:1970年(初期車)1985年(後期車) 車両数:72両(初期車4​ 後期車68両)
電化以前から宇都宮日光線中距離普通列車で使用されていた旧型気動車を置き換え、中距離普通列車の居住性を高める目的で1970年に登場した抑速ブレーキ搭載20m級交直両用車両です. 奥武本線全線電化から8年後の1985年にはそれまで気動車で運転されていた奥武本線の普通列車を置き換えるために前面デザインを一新した量産車が登場し、新700系とも呼ばれていますが、保守や操作性の統一という観点から、新700系は通勤形の5000系や6000系よりも後に登場したにもかかわらず伝統的な抵抗制御を採用しています. 新700系と6000系はよく似た顔ですが、6000系が裾絞りのない2800mm車体かつ正面が切妻であるのに対し、新700系では700系初期車同様に左右方向に若干の後退角をつけた2900mm裾絞り車体になっており、都市部の通勤型車両である6000系と比べても洗練された印象を持っています. 現在では初期車、後期車の区別なく4両編成で野田市~奥武日光、野田市~白河~岩代長沼間の普通列車に使用されるほか、早朝深夜には奥武本線の浦和まで出入りする列車もありますが、車内信号機を積載していないため車内信号を必要とする新宿~浦和間には乗り入れられず、新宿と奥武本線中距離区間を直通する電車列車には3000系が使用されます. 両開き2扉デッキなしボックスシート. 列車番号末尾はL

気動車

気動車は非電化路線ではもちろんのこと、大田原線と奥武本線の直通列車や奥武本線系統の長距離快速列車、夜行快速列車、また運用の関係で磐岩線や奥武本線の一部普通列車でも幅広く使用されます. ふくろだ快速を除く奥武本線系統長距離快速列車はキハ4000系で運転されます. 

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キハ400系 運行開始:2023年 車両数:計6両
老朽化したキハ4000系を置き換えるために製造された新型快速形気動車です. 8000系にかわる新型快速形電車、450系と共通した車体を持つ気動車というコンセプトで設計され、450系とともに当社では初めてのステンレス車両(前頭部のみ鋼製)となりました. 前頭部意匠も450系と揃えられ、正面貫通扉下部はステンレス無塗装となりキハ4000系に比べより精悍な印象を与えます. 中山道線や秩父鉄道線を走る450系と共通車体として設計するためキハ4000系よりやや短い20m級となり、一方で車体幅はキハ4000系と同等の2900mmとなっております. キハ4000系に比べややシートピッチを拡大し、シート布とクッションを一体化した薄型素材を用いたフリーストップ型のリクライニングシートを導入したことでキハ4000系の簡易リクライニングシートに比べて居住性を改善、また車椅子対応トイレや一部乗降口では車いす対応リフトを整備しております. 側面には大型の行先表示器を備え、列車分割の案内に対応できるようになりました. キハ4000系で夜行列車運用を念頭に装備していた車内の減光機能に加え、電球色での車内灯点灯機能も標準装備しております(通常の定期列車では使用予定はありません). 最高速度は140km/h、キハ4000系同様に3連ユニットでの運行を予定しており、2023年内の運行開始を目指して試運転を行っております. 

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キハ300形(上から1,3段目)・キハ350形(上から2,4段目) 運行開始:2018年(初期車)2023年(後期車) 
車両数:計9両(初期車6両 後期車3両)

陳腐化、老朽化したキハ200形を置き換え大子線の輸送改善を図るために2018年秋より導入されている新型車両です. 1960~70年代高度成長期に製造されたキハ200系は通勤輸送の激化に備えてロングシートで製造されましたが、この間の旅客輸送事情の変化を受けてキハ300系は車両の一部をロングシート、大部分をボックスシートとしており、ボックスのシートピッチを195cmと広くとってあるほか、車内にはデッキを備えた片側片開き二扉構造とし、空調機器を小型化した上で天井をドーム状に拡大、車内空間を広げています. 運転台面積を従来車よりも広く確保するため、車体長は21m級となっています. 外観デザインは懐かしさと親しみやすさをコンセプトに決定され、アルミ押し出し車体に奥武線中距離列車伝統の草色と800系電車に準じたペールアイボリーのツートン塗装を施し、正面には斜めステンレス帯、側面にはキハ200系の昭和時代の塗色の特徴である銅色斜め帯を配置、キハ200の姿をそのまま現代的に解釈したデザインを目指しました. 車いす対応トイレ付きのキハ300とトイレなしのキハ350x2両で3両編成を組みます. 列車番号末尾は他の気動車と同じD. 2021年3月ダイヤ改定以降は大子線の他大子線からの直通列車に限り奥武本線(七合~黒羽間)、大田原線でも使用されています. 2023年には次なるダイヤ改定での便増を視野にキハ300 1両とキハ350 2両が増備されましたが、こちらは前面意匠にマイナーチェンジを加えております. 

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キハ200形(上:~1990年/2015年~塗色 下:1990~2015年塗色) 運行開始:1975年 車両数:10両
キハ200系は北関東ローカル線区で使用される片側2扉デッキなしの20m級一般形気動車です. 1965年にまずトイレ付片運転台車キハ250とトイレなし片運転台車キハ270がデビューし奥武本線の中距離普通列車で使用され、1975年から朝夕の増結用および大子線、大田原線用を兼ねてトイレ付両運転台車のキハ200が登場し、奥武鉄道の中距離区間用標準車両として一時代を築きました. この頃のキハ200系は奥武本線の気動車化、無煙化の旗振り役でもあり、気動車であることをアピールするため側面にも大きな銅色の斜め帯を入れていました. 1977年の奥武本線電化後もしばらく奥武本線中距離列車を含めて広く活躍しましたが、1985年に新700系電車がデビューすると奥武本線の普通列車は急速に電車化が進み、1990年以降は700系電車の意匠に合わせる形で塗色も変更され、比較的車齢の浅いキハ200のみが残され2両編成を組んで大子線や、大田原線と大田原線から奥武本線への直通列車で活躍してきました. なお当初キハ200系はロングシートで落成していますが後に一部がセミクロスシートに改装されて改装車は主に大子線で用いられてきました. 2015年からは再び昭和期の塗色に戻されて活躍していますが、キハ300系の登場によって大子線運用からは退きつつあります. 列車番号末尾はD

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キハ4000系(上:非更新車 下:機関換装・更新車[400番台])
 運行開始:1972年 車両数:156両(オハネ4800を含む)
奥武本線系統快速列車の高速化を目的に1972年に導入された21m級気動車です. 当初から最高速度120km/hでの運転を行っていましたが、後に会津地区普通列車で限定使用される一部編成を除く大半がエンジンの換装やトイレの一部閉鎖といった改造を受け(400番台化改造)、現在では新宿~関宿間の直線区間に限り140km/h運転を行っています(その他の区間では線区の状況により最高65~130km/hでの運転となります). 正面スタイルは700系初期車に似ていますが、シャッター式のタイフォンや運転室窓のデフロスターなどに差異があります. また側面窓は700系の2段式に対して天地寸法の小さい1段窓となっております. 片開き2扉デッキ付きの車内には簡易リクライニングシートを備え、中間車を含む3両ユニットを組み合わせて昼夜行の快速列車のほか磐岩線、岩羽線、郡若線、白田線、上岩線(檜枝岐以北)、大子線(快速列車の間合い運用のみ)、奥武本線(一部列車のみ)など汎用性の高さを生かして非電化線区のみに限らず普通列車としても広く使用されています. 特に最終増備車は1980年代末まで造られ、会津地区のキハ100置き換えも行いました. 列車番号末尾はD. 夜行快速用の無動力寝台車オハネ4800形もあります. 

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キハ100形(上:初期量産車 下:後期車) 運行開始:1963年 車両数:28両
1963年新たに編入された上岩線(旧上岩軽便線)の近代化を目的に導入されたのを契機に、東北地方エリアの普通列車用に量産された2エンジン21m級一般形気動車です. 特別豪雪地帯を走行するため車体色は雪の中でも目立ちやすいあかね色とアイボリーのツートンが採用され、キハ200よりも台枠を60mm、床面を100mm高くしています. 雪国ならではのシャッター式のタイフォンや旋回窓が特徴的です. 後に一部がキハ4000系に置き換えられましたが、最大55‰にも対応する高い登坂性能と特別豪雪地帯に対応した排雪性能から現在でも2両編成を組んで郡若線や白田線、上岩線の普通列車で使用されています. 片側2扉デッキ付きボックスシート. 列車番号末尾はD. 同一形式内でも製造年次によってマイナーチェンジがあり、形態に細かな差異が見られます. 

客車

人気の旧型客車はSL山峡、SL碧水、SL銀嶺の各SL列車で使用される他季節臨時列車で使用しております. 2021年には寝台特急専用客車、30000系がデビューしました. 

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30000系客車 運行開始:2021年 車両数:36両

寝台特急過雁、臨時寝台特急サンセット過雁の専用客車です. 全室個室で、1号車カガンスイートは国内初の21m車1両の空間を全て占有スペースとして使った2人用スイートとなりました. その他にも2人用スイートや1人用のシングルスイート、各部屋にシャワーとトイレを備えたクラシックや2階建てのメゾネットなど、個性的な個室から構成されます. またクラシック客のためのレストランの他、バー&ミュージックホールやカフェ、ライブラリーなど共用スペースも贅沢に採られています. 通常12両編成を組んでDF500の牽引で運用に就きますが、その際の最大客室定員はたったの30名. 将来的には増結を行った14両編成での運転にも対応できるよう準備されています. 

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鉄道省・国鉄旧型客車 運行開始:1939年 車両数:10両

かつて奥武線内で活躍していた客車列車の多くは1970年代までにディーゼルカーによって置き換えられ奥武鉄道生え抜きの客車は全て姿を消してしまいましたが、徳次郎貨物線では1998年に廃止されるまで鉱山の従業員専用の列車に旧国鉄払い下げの旧型客車を使用しており、これらの客車が奥武鉄道に継承されました. オハ35系(ぶどう色)6両とスハ43系(青色)4両合わせて10両が在籍しており、大田原線、奥武本線の一部普通列車でDF500に牽引されて毎日使用されているほか、季節臨時列車にも起用されます. 2019年春からのD51形蒸気機関車の復活運転に際しても旧型客車3~6両を牽引しての運転が行われます.

*2019年6月よりスハ43系はぶどう色に塗色変更されております. 

ディーゼル機関車

ディーゼル機関車は非電化区間もカバーする貨物列車の牽引はもちろんのこと、旧型客車使用の臨時列車牽引、除雪などに活躍します. 

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DF500(左:ラッセルヘッド非装着時/中:ラッセルヘッド装着時)

 運行開始:1968年 車両数:28両

奥武鉄道の特に東北地区には大峠、勢至堂峠などの急峻な峠道があり貨物列車の難所となっている上に、磐岩線や岩羽線、白田線、上岩線は冬季には深い雪に閉ざされ強力な排雪能力を持つ車両が求められていました. 牽引力に優れた貨物機関車兼ラッセル車として開発されたのがDF500です. スモークガラスに包まれた独特のライトケースの形状から「水中メガネ」の愛称で親しまれています. 現在では白河~米沢間における重連での貨物列車牽引や冬季の排雪列車運用のほか、大田原線や奥武本線の一部で運転される国鉄払い下げ旧型客車を用いた普通列車の牽引にも活躍しています. 

DF570(右) 運行開始:1965年 車両数:6両

特別豪雪地帯を走る岩羽線や上岩線などではラッセル車による排雪で線路脇に雪の壁ができてしまい排雪に支障をきたすことが少なくないため、必要時にはロータリーヘッドを外して機関車としても使用できるDF級のロータリー車が開発されました. 1965年に汎用機としての期待を背負ってデビューしましたが貨車の牽引では故障が相次いだため、改良量産機であるDF500にとって代わられ、現在では臨時の特別排雪列車以外には使用されていません. 

蒸気機関車

蒸気機関車は 2019年4月に復活を遂げ、会津・南会津地区の新たな顔になっています. SL山峡、SL碧水、SL銀嶺の各列車で使用されます. 

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D51 3101(左) 運行期間:1939~1975年、2019年~

奥武鉄道から分離された大峠森林鉄道が自社線内から奥武鉄道米沢線(現在の岩羽線奥入田沢~米沢間)、鉄道省奥羽本線を経て福島まで運転する貨物列車用に導入した鉄道省D51形蒸気機関車の同型機です. 1975年の大峠森林鉄道廃止後米沢市内で保存されておりましたが、2019年2月に復活を果たししました. 大峠森林鉄道時代の黒一色塗装でのデビューです. 

D51 3105(右) 運行期間:1942~1975年、2019年~

D51 3101同様に大峠森林鉄道が福島~米沢~大峠間の貨物列車用に導入した鉄道省D51形蒸気機関車の同型機ですが、1949年の奥羽本線福島~米沢間電化で余剰となっていたことから1957年の岩羽線全通に際して奥武鉄道に売却され、その後1975年に引退するまで磐岩線、岩羽線の旅客、貨物機として使用されました. 運行開始当初の夜行快速あおまつ、もがみ、あらしおでの牽引歴もあります(牽引区間は白河~米沢間). 喜多方市内で保存されておりましたが現在2019年2月に復活を果たしました. ランボード他の白線や正面下部の斜めステンレス飾り帯を再現しシックながらも装飾的な奥武鉄道所属時代の姿で復元されました. 

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車 両 図 鑑

保有車両数:2023年2月21日更新

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