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奥 武 鉄 道 車 両 図 鑑
ROLLING STOCKS
特急形電車
20000系 運行開始:2017年 車両数:36両
2017年10月ダイヤ改定でデビューした交直両用特急形車両です。建築限界の狭い都営三田線に直通するため最大幅2800mmとやや細身のボディが特徴、そのため一部車両を1-2列の特別車として居住性を確保しています。地下鉄を走行する車両として初めて、正面非常扉を観音開き式の外殻と跳ね上げ式の眺望ガラス窓で覆う構造を採っています。最高速度140km/hは10000系と同じで、6両編成を組んで日比谷~奥武日光間の特急メトロコア日光や日比谷~会津若松間の特急メトロコア会津、メトロコア会津白虎で活躍しています。列車番号の末尾はXで表示されます。
10000系 運行開始:2007年 車両数:133両
鮮烈なあかね色と華やかなシャンパンゴールドを身にまとってデビューした当社の主力交直両用特急形車両です。最高時速140km/hと国内在来線有数のスピードランナーとしても知られ、10000系のデビューと同時に新宿~会津若松間に速達型特急白虎が走り始めました。個室車1両を含む7両編成を組んで新宿~奥武日光間の特急なんたい、にょほうや新宿~会津若松間の特急あかべこ、白虎、新宿~白河間の特急しらかわで活躍するほか、中距離ライナー運用であるとちぎエクスプレスや中山道エクスプレスにも使用されます。変則運用としては早朝磐岩線三代~会津若松間の普通列車としての運用があります。列車番号の末尾はE。
快速形電車
8000系 運行開始:1997年 車両数:44両
当社で初めての気動車と併結運転可能な電車として登場し、それまで秩父鉄道直通快速で使用されていたキハ2000系を置き換えました。キハ4000系と重量を合わせるため関東最後となる新製鋼製車として製造されました。直流専用で、連結される気動車のエンジンを制御するための回路を装備しているのが特徴です。正面は急行形の7000系にも似ていますが、鮮やかな黄緑色と紅色の帯が緑豊かな秩父への直通列車であることをアピールしています。4両編成でキハ4000系6両とタッグを組んで新宿~三峰口間の快速に使用されたり(新宿~浦和間でキハ4000系と併結)、4両または4両を2本繋げた8両編成で中山道ライナーに使用されたりします。最高速度は140km/h。片開き2扉デッキあり転換式クロスシート。時刻表では列車番号末尾Nで表示されます。
急行形電車
2000系 運行開始:2010年 車両数:180両
新時代を担う直流急行形電車として2010年に登場したアルミ車です。加速度や最高速度は7000系と変わりませんが、車両幅(2930mm)の最適化による軽量化やHIDランプの多用、空調モニタリングシステムの導入など新機軸が多く盛り込まれています。将来の地方線区転用時に二扉化改造しやすいよう中間部ドア付近がモジュール化されています。中山道線の基本8連に加えて2014年からは宇都宮日光線にも6連が投入されており、2017年には中山道線の付属4連も落成しました。2019年現在も増備中です。両開き3扉ロングシート。時刻表では列車番号末尾Mで表示されます。
通勤形電車
7000系 運行開始:1992年 車両数:300両
これまでの奥武鉄道の車両イメージを大きく塗り替える姿で登場し話題となった直流急行形電車です。この時代としても珍しい鋼製車ですが当社では初めてのVVVFインバータ制御となったほか、特別料金なしで乗れる車両としては初めての130km/h運転を開始したことや客窓を開閉不可能にした上で2980mmという幅広のスタイルで登場したことも話題となりました。この車両の登場と同時に宇都宮日光線の下総境~北宇都宮間が直流電化され宇都宮日光線での急行運転が始まりました。正面デザインはブラックフェイスが印象的ですが、貫通幌枠と一体化したライトケースや正面下部の斜めのラインなど随所に旧来の車両の意匠を引き継いでいます。8連、6連、4連の各編成があり、両開き3扉ロングシートで中山道線や宇都宮日光線の急行、区間急行、通勤区間急行のほか、特に宇都宮日光線では朝夕の中距離普通列車にも使用されます。なお4連の編成は製造当初より将来の交直流電車化改造を想定して死重を積み台枠を強化されています。時刻表では列車番号末尾Mで表示されます。
1000系 運行開始:2003年 車両数:72両
3代目地下鉄直通車両です。直流専用のアルミ車で、地下鉄直通列車では種別を問わず各駅停車、準急、直達準急、区間急行すべてで使用されます。車体は地上線専用の9000系をベースにしておりますが起動加速度は3.5km/h/sと都営線や東急線の車両と同等に抑えられており、都営線に直通するための機器を備えています。識別のためアイボリーの帯の下にブルーのラインを入れています。両開き4扉ロングシート。時刻表では列車番号末尾Tで表示されます。
9000系 運行開始:2000年 車両数:132両
2000年にデビューした直流通勤形アルミ車です。急行形の7000系、快速形の8000系についで曲面を取り入れたブラックフェイスをまとって登場しましたが、車体幅は従来車と同じ2800mmに抑え、併結運転することはないため正面非常扉を助手席側にオフセットして運転席スペースを確保しました。3000系や6000系で課題であった超高加減速度での発車、停車による乗り心地の悪さを改善するため、特殊な制御装置が搭載されています。両開き4扉ロングシート。時刻表では列車番号末尾Cで表示されます。
6000系 運行開始:1982年 車両数:150両
昭和の終わりに登場した界磁チョッパ制御の直流通勤形車両です。3000系に続く超高加減速度の通勤型車両で中山道線に残っていた昇圧前からの旧型通勤車を置き換え、初めて各駅停車のみならず準急系統にも新系列車が入るようになりました。最高速度は120km/hで設計最高起動加速度は6.0km/h/s。3000系に続きおびただしい数の手すりとつり革が設けられています。両開き4扉ロングシート。時刻表では列車番号末尾Cで表示されます。正面デザインは5000系での反省を生かし斜めの飾り帯をやや低めに配置し、ブラックフェイスを効果的に見せるために運転室窓をHゴム押さえから金属押さえに変更しています。
5000系 運行開始:1980年 車両数:12両
界磁チョッパ制御を取り入れた地下鉄直通直流専用車両で地下鉄車両と同様の加減速度仕様で登場しました。当時都営地下鉄ではステンレスの質感を生かした車両が投入されていた一方当社では車両のステンレス化を見送り、代わりに鏡面仕上げで金属光沢を強調したステンレスの斜め飾り帯を正面にあしらい、当時流行のブラックフェイスでデビューしました。1000系の登場以降廃車が進行しています。両開き4扉ロングシート。列車番号末尾はT。
3000系 運行開始:1965年 車両数:18両
奥武鉄道の1500V昇圧と同時に登場し一時代を築いたエポックメイキングな通勤形車両で当社では最初で最後の交直両用形通勤形電車となりました。翌年には直流専用の3050系が識別のために側面にも白帯を巻いた姿で登場しますが、こちらは先に引退しています。国鉄が「通勤五方面作戦」の名で首都圏の複々線化を推し進めるのに対し当時当社では各駅停車列車の加減速度を飛躍的に上げることで優等列車の所要時間短縮を図ろうとしました。設計最高起動加速度6.0km/h/sはさすがに類を見ないもので、発車、停車の際のあまりの乗り心地の悪さが話題となり、車内には転倒防止のためにおびただしい数の手すりやつり革が設けられ、後に特徴的なヘッドライトケースの形状や色合いから「ザク電」とも呼ばれました。7000系の急行が登場した後主戦場であった宇都宮日光線から撤退しましたが現在でも3編成が残り笠間発着の準急/直達準急などで活躍中です。両開き4扉ロングシート。列車番号末尾はC。
一般形電車
800系 運行開始:2018年 車両数:32両
老朽化が目立ってきた700系初期車の置き換えを目的に、7000系電車の4連を改造して造られた交直流両用車で。車内信号を撤去し最高速度は130km/hから110km/hに下げられましたが、両開き片側2扉に改造された車内には転換クロスシートが並び、ローカル線区での長距離利用に対応しております。外観は700系やキハ4000系と同様の草色とアイボリーのツートンに改められ、奥武鉄道の新形式としては6000系以来となる前面の斜めステンレス補強帯を装着しています。2018年4月以降浦和・野田市~白河・奥武日光間の普通列車に投入されています。列車番号末尾はL。
700系 運行開始:1970年(初期車)1985年(後期車) 車両数:104両
電化以前から宇都宮日光線交流区間の中距離普通列車で使用されていた旧型気動車を置き換え、中距離普通列車の居住性を高める目的で1970年に登場した交直両用車両です。奥武本線全線電化から8年後の1985年にはそれまで気動車で運転されていた奥武本線の普通列車を置き換えるために前面デザインを一新した量産車が登場し、新700系とも呼ばれていますが、保守や操作性の統一という観点から新700系は5000系や6000系よりも後に登場したにもかかわらず伝統的な抵抗制御を採用しています。新700系と6000系はよく似た顔ですが、6000系が裾絞りのない2800mm車体かつ正面が切妻であるのに対し、新700系では700系初期車同様に左右方向に若干の後退角をつけた2900mm裾絞り車体になっており、都市部の通勤型車両である6000系と比べても洗練された印象を持っています。初期車、後期車の区別なく4両編成で野田市~奥武日光、野田市~白河間の普通列車に使用されるほか、早朝深夜には奥武本線の浦和まで出入りする列車もありますが、車内信号機を積載していないため、車内信号を必要とする新宿~浦和間に乗り入れる中距離列車には3000系が使用されます. 両開き2扉デッキなしボックスシート。列車番号末尾はL。
気動車
キハ300/350 運行開始:2018年 車両数:計6両
陳腐化、老朽化したキハ200形を置き換え大子線の輸送改善を図るために2018年秋より導入されている新型車両です。1960~70年代高度成長期に製造されたキハ200系は通勤輸送の激化に備えてロングシートで製造されましたが、この間の旅客輸送事情の変化を受けてキハ300系は車両の一部をロングシート、大部分をボックスシートとしており、ボックスのシートピッチを195cmと広くとってあるほか、車内にはデッキを備えた片側片開き二扉構造とし、空調機器を小型化した上で天井をドーム状に拡大、車内空間を広げています。外観デザインは懐かしさと親しみやすさをコンセプトに決定され、アルミ押し出し車体に奥武線中距離列車伝統の草色とアイボリーのツートン塗装を施し、正面には斜めステンレス帯を配置しました。トイレ付きのキハ300とトイレなしのキハ350x2両で3両編成を組みます。列車番号末尾は他の気動車と同じD。
機関車・除雪車
キハ4000系 運行開始:1972年 車両数:156両(オハネ4800を含む)
快速列車の高速化を目的に導入された気動車です。当初から最高速度120km/hでの運転を行っていましたが、後にエンジンの換装を経て現在では新宿~関宿間の直線区間に限り140km/h運転を行っています。正面スタイルは700系初期車に似ていますが、シャッター式のタイフォンや運転室窓のデフロスターなどに差異があります。また側面窓は700系の2段式に対して天地寸法の小さい1段窓となっております。片開き2扉デッキ付きの車内には簡易リクライニングシートを備え、中間車を含む3両ユニットを組み合わせて昼夜行の快速列車のほか磐岩線、岩羽線、郡若線、白田線、上岩線(会津大川舘岩口以北)、大子線(快速列車の間合い運用のみ)など非電化区間の普通列車としても広く使用されています。特に最終増備車は1980年代末まで造られ、会津地区のキハ100置き換えも行いました。列車番号末尾はD。夜行快速用の無動力寝台車オハネ4800形もあります.
キハ100 運行開始:1963年 車両数:28両
1963年新たに編入された上岩線(旧上岩軽便線)の近代化を目的に導入されたのを契機に、東北地方エリアの普通列車用に量産された一般形気動車です。特別豪雪地帯を走行するため車体色は雪の中でも目立ちやすいあかね色とアイボリーのツートンが採用され、キハ200よりも台枠を60mm、床面を100mm高くしています。雪国ならではのシャッター式のタイフォンや旋回窓が特徴的です。後に一部がキハ4000系に置き換えられましたが、高い登坂性能と排雪性能から現在でも2両編成を組んで郡若線や白田線、上岩線の普通列車で使用されています。片側2扉デッキ付きボックスシート。列車番号末尾はD。
DF500(上:ラッセルヘッド非装着時/下:ラッセルヘッド装着時)
運行開始:1968年 車両数:28両
奥武鉄道の特に東北地区には大峠、勢至堂峠などの急峻な峠道があり貨物列車の難所となっている上に、磐岩線や岩羽線、白田線、上岩線は冬季には深い雪に閉ざされ強力な排雪能力を持つ車両が求められていました。牽引力に優れた貨物機関車兼ラッセル車として開発されたのがDF500です。スモークガラスに包まれた独特のライトケースの形状から「水中メガネ」の愛称で親しまれています。現在では白河~米沢間における重連での貨物列車牽引や冬季の排雪列車運用のほか、大田原線や奥武本線の一部で運転される国鉄払い下げ旧型客車を用いた普通列車の牽引にも活躍しています。
DF570 運行開始:1965年 車両数:6両
特別豪雪地帯を走る岩羽線や上岩線などではラッセル車による排雪で線路脇に雪の壁ができてしまい排雪に支障をきたすことが少なくないため、必要時にはロータリーヘッドを外して機関車としても使用できるDF級のロータリー車が開発されました。1965年に汎用機としての期待を背負ってデビューしましたが貨車の牽引では故障が相次いだため、改良量産機であるDF500にとって代わられ、現在では臨時の排雪列車以外には使用されていません。
キハ200 運行開始:1975年 車両数:10両
キハ200系は関東地方内のローカル線で使用される片側2扉デッキなしロングシートの一般形気動車です。1965年にまずトイレ付片運転台車、キハ250とトイレなし片運転台車、キハ270がデビューし奥武本線の中距離普通列車で使用され、1975年から大子線、大田原線用を兼ねてトイレ付両運転台車のキハ200が登場しました。1977年の奥武本線電化後もしばらく本線を含めて広く活躍しましたが、1985年に新700系電車がデビューすると奥武本線の普通列車は急速に電車化が進み、現在では両運転台車のキハ200が2両編成を組んで大子線や大田原線と大田原線から奥武本線への直通列車で活躍しています。列車番号末尾はD。
D51 3101 運行期間:1939~1975年(2019年復活)
奥武鉄道から分離された大峠森林鉄道が自社線内から奥武鉄道米沢線(現在の岩羽線奥入田沢~米沢間)、鉄道省奥羽本線を経て福島まで運転する貨物列車用に導入した鉄道省D51形蒸気機関車の同型機です。1975年の大峠森林鉄道廃止後米沢市内で保存されておりました。2019年2月に復活しました。大峠森林鉄道時代の黒一色塗装でのデビューです。
D51 3105 運行期間:1942~1975年(2019年復活)
D51 3101同様に大峠森林鉄道が福島~米沢~大峠間の貨物列車用に導入した鉄道省D51形蒸気機関車の同型機ですが、1949年の奥羽本線福島~米沢間電化で余剰となっていたことから1957年の岩羽線全通に際して奥武鉄道に売却され、その後1975年に引退するまで磐岩線、岩羽線の旅客、貨物機として使用されました。運行開始当初の夜行快速あおまつ、もがみ、あらしおでの牽引歴もあります。喜多方市内で保存されておりましたが現在2019年内の復活運転開始を目指して整備中です。ランボード他の白線や正面下部の斜めステンレス飾り帯を再現し奥武鉄道所属時代の姿で復元されました。
客車
鉄道省・国鉄旧型客車 運行開始:1939年 車両数:10両
かつて奥武線内で活躍していた客車列車の多くは1970年代までにディーゼルカーによって置き換えられ、奥武鉄道生え抜きの客車は全て姿を消してしまいましたが、徳次郎貨物線では1998年に廃止されるまで鉱山の従業員専用の列車に旧国鉄払い下げの旧型客車を使用しており、これらの客車が奥武鉄道に継承されました。オハ35系6両とスハ43系4両合わせて10両が在籍しており、大田原線、奥武本線の一部普通列車でDF500に牽引されて毎日使用されているほか、季節臨時列車にも起用されます。2019年に予定されているD51形蒸気機関車の復活運転に際しても旧型客車3~6両を牽引しての運転が行われます。
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