奥武線 鉄道小噺 第14回

変わりもの列車で行こう!その②

前回に引き続き、奥武鉄道の時刻表から一風変わった列車を集めて取り上げていきます。さあ、変わり者列車で、出発進行!

距離の短い優等列車、巣鴨中山道線~中山道線 浦和発着直達準急

中山道線の時刻表を見ていると朝のラッシュ時間帯に都営三田線から直通してきて浦和駅で折り返す直達準急が何本か設定されている。2016年10月ダイヤ改定で初めて導入された運用だが、2017年10月改定ダイヤでは6往復が設定されており、2018年10月改定ダイヤではさらに1往復が追加される予定だ。まず巣鴨中山道系統の直達準急と区間急行の停車駅の違いは東急目黒線内と中山道線浦和以北を通過運転するか否かのみであるため、白金高輪~浦和間の列車などではそれが区間急行なのか直達準急なのかは定まらないはずなのだが、これらの中には当然東急線に直通しない「区間急行か直達準急か不明の直達準急」も混じっている。短距離の優等列車として実に目立つ存在だ。

特に上り列車は始発駅の浦和を出ると奥武線内は南浦和、蓮根、巣鴨のみの停車で浦和駅から所要25分で大手町に達する。一見浦和駅と南浦和駅の利用者にしか使えない列車にも見えるが、実は上野東京ライン開業を背景にした奥武鉄道の知恵が詰まっているのだ。

よく時刻表を見てみると、たとえば上り24072T列車(浦和6:54発)は鴻巣始発の8072M区間急行新宿行きから浦和で4分乗り換え(あるいは南浦和で同一ホーム5分乗り換え)、また南浦和で上尾始発の22074C各駅停車新宿行きと同一ホームの急行線/緩行線に同時発着しこれらの列車から都心に向かう乗客を受け継ぐダイヤになっている。次の24074T列車(浦和7:15発)も同様に8074M区間急行からの乗り継ぎや22076C各駅停車からの南浦和同一ホーム接続を考えたダイヤになっている。2017年10月ダイヤでの上り6本全てが上尾方面からの列車から接続を受けており、逆に下り列車も24066Tから3061C、24074Tから22065C、24076Tから22071Cなど、6本中5本が南浦和駅で上尾方面への各駅停車列車に同一ホーム接続している。

奥武鉄道は元々新宿発着を強みとしており、都営三田線への直通でどうにか乗り入れる都心への輸送では線路容量に限界がある。しかも中山道線は浦和以北で複線(一応本太までは複々線の扱いだが、内側線を奥武本線の列車が占有している)になるため都心に直通する列車を大幅に増発することができない。そこで巣鴨~蓮根~浦和間の複々線区間が持つ余力を最大限活用し人口がなお増え続けているさいたま市域から都心への通勤需要を受け止めようと設けられたのが浦和以北の列車に接続する浦和発着直達準急というわけだ。

8076M区間急行新宿行きから24076T直達準急三田線直通列車への乗り継ぎ(浦和駅または南浦和駅)と22082C各駅停車新宿行きから24076T(浦和駅ではホームが異なるため1分乗り換えは難しいが南浦和駅では同一ホームに同時発着)への乗り継ぎの例