奥武鉄道とライバル交通機関のサービス比較
第7弾は首都圏大手鉄道事業者の旅客運賃比較です.
■各社旅客営業規則より、100kmまでの大人運賃を比較しました.
クリックすると拡大します. *時刻、運賃は2020年9月現在(2019年10月消費税改定後)
奥武線は看板運賃として1.0km未満で100円というワンコイン運賃を設定していますが、1.0km以上10km台までの運賃は概して他社様より高めに設定されています. 奥武鉄道としては都内から埼玉県南部にかけての通勤輸送を重要な収入源と考えているからでもありますが、また一方新宿~浦和間ではJR線よりも短絡しており営業距離が短くなるため、見かけの運賃が高く設定されていても都内~埼玉県南部でJR線よりも運賃を低く抑えられるという理由もあります.
20.0kmを超えて70.0kmまではJR線の電車特定区間を意識した運賃設定になっておりますが、それ以降は時にJR電車特定運賃を超え、JR幹線運賃より少し安い程度になりますね.
なお東武線に比べるとだいぶ高くはなってしまっておりますが、都内対日光観光輸送で直接対峙するJR-東武直通特急が二社線にまたがる関係で非常に高額となるため、それには負けない運賃設定となっております.
新宿から埼玉県中山道沿道方面で奥武線とJR線の料金、営業距離を比べると、近距離圏の新宿から浦和まででは蓮根経由で短絡している奥武線の方が距離が短く、実は数km~20.0km圏での料金設定は奥武線の方が高めであるにもかかわらず距離の差によって奥武線が割安になっています. 浦和~奥武大宮間で奥武線の方が大きな曲線を描くため距離をロスし、奥武大宮以遠では新宿からの営業距離でJRに敵いませんが、20.0~70.0kmではJRよりも割安な料金設定となっているため鴻巣までは奥武線が安くなります. 熊谷まででは鴻巣~熊谷間の距離のロス(奥武線は遠回りになる行田市経由)に加えて秩父鉄道の割高な基本料金が入るため、初めて奥武線経由の料金がJRを上回りますが、大差にならないように料金設定されています.